2007年07月07日 (土)
本日、「民法2(物権) 2007年第1課題」のレポートが返却されました。
不合格だったものを再提出したヤツです。
今度は無事に合格しており、一安心しました。
以下、大まかな構成を書き記しますので、よろしければご参考までにどうぞ。
※「何がなんでも自力でレポを仕上げ、合格を勝ち取る!」と非常に志の高い方、その志はとても立派だとワタクシは真面目にそう思います。
そういう方にとって以下の内容は「「いらぬお節介」以外のなにものでもありません。
ですから、これより先を無視して読まれないことを強くオススメいたします
◆レポート構成
1.
(1)物権的請求権と占有訴権の態様
(2)両者の法的根拠
2 両者の異同
(1)請求主体と相手方
ア 物権的返還請求権
・原告:占有を喪失した本権者
・被告:目的物を占有し本権の内容の実現を現実に妨げている者
イ 本権者占有回収の訴え(200条)
・原告:占有を侵奪された占有者
・被告:現に目的物を占有することにより本権の内容を妨げている者及びその承継人
ウ 物権的返還請求権と占有回収の訴えにおける請求権の有無(原告になれるか否か)
(ア)詐取、強迫により占有を失った者
物権的請求権〈有り〉、占有回収の訴え〈無し〉。
(イ)賃貸借の目的物の占有を失った賃借人
物権的請求権〈無し〉、占有回収の訴え〈有り〉。
(ウ)盗人
物権的請求権〈無し〉、占有回収の訴え〈有り〉(大判昭13・5・22)
(2)物権的返還請求権と占有回収の訴えにおける被告
ア 侵奪者の特定承継人に対する請求
・物権的請求権:即時取得(192条)されない限り善意・悪意問わず請求可能
・占有回収の訴え:悪意の特定承継人に限り請求可能(202条ただし書)
イ 侵奪者の占有代理人に対する請求
・物権的請求権:請求不可
・占有回収の訴え:請求可能(大判昭19・2・18)
(3) 効果
・物権的請求権:目的物の返還
・占有回収の訴え:目的物の返還及び損害賠償請求(200条1項)
・占有保持の訴え:「妨害の停止」に加え損害賠償請求(198条)
・占有保全の訴え:「妨害の予防」又は損害賠償の担保請求の何れか(199条)
(4) 権利行使可能期間
・物権的請求権:本権とは独立して消滅時効にかからず(通説・判例)。したがって、所有権に基づく物権的請求権は永久に存続(167条)
・占有訴権:一定の期間制限に服する。占有回収の訴え(201条3項)、占有保持の訴え(201条1項)、占有保全の訴え(201条2項)、それぞれカッコ内の条文を参照。
(5) 被告の抗弁
・物権的請求権の被告は、本権をもって抗弁とする事が可能。つまり、被告が本権の発生原因事実を証明すれば、原告の請求を排除可能。
・占有訴権の被告は、本権をもって抗弁とすることはできず(202条2項)
◆本問のポイント
私が最初に不合格となった際の指導票には次のようなコメントが付されておりました。
①要件事実の違いに関する記述が不十分
②物権的請求権…占有喪失
占有回収の訴え…占有侵奪
ぞれぞれの意味を説明し、具体的にどのような場面で違いが生じるかを記述すること
私は再提出するにあたって、主として物権的返還請求権と占有回収の訴えの違いを中心にまとめました。
そこで、物権的妨害排除・妨害予防請求権に関してはほとんど触れませんでした。
また、占有保持の訴え・占有保全の訴えについても、効果と権利行使期間について軽く触れた程度です。
レポート字数の関係上、これらについて詳細には言及できなかったからです。
(あくまでもワタクシの場合はです)
また、この他にも被告の故意・過失の要否など細かな知識についてもいくつか記述しました。
以上のことは、あくまでも合格レポートの一構成例にすぎませんので、当然に、この他にも様々な構成は当然に考えられます。
また、ワタクシの構成・コメント等を参考にレポを作成したが「評価が低かった」「落っこちた」などと苦情を申されても、「残念でしたね」「再提出頑張って下さい」としか申し上げれません。(笑)
ですから、これらすべてはあくまでもレポート作成の際の一参考資料としてお読み頂けますれば幸いに存じます
今後、この課題を提出される方の合格を、心より祈っております。
※この記事が「面白かった」「参考になった」といったようなご感想をお持ち頂けたならば、↓これを、ポチッと押して頂けますと嬉しく思います。
不合格だったものを再提出したヤツです。
今度は無事に合格しており、一安心しました。
以下、大まかな構成を書き記しますので、よろしければご参考までにどうぞ。
※「何がなんでも自力でレポを仕上げ、合格を勝ち取る!」と非常に志の高い方、その志はとても立派だとワタクシは真面目にそう思います。
そういう方にとって以下の内容は「「いらぬお節介」以外のなにものでもありません。
ですから、これより先を無視して読まれないことを強くオススメいたします
◆レポート構成
1.
(1)物権的請求権と占有訴権の態様
(2)両者の法的根拠
2 両者の異同
(1)請求主体と相手方
ア 物権的返還請求権
・原告:占有を喪失した本権者
・被告:目的物を占有し本権の内容の実現を現実に妨げている者
イ 本権者占有回収の訴え(200条)
・原告:占有を侵奪された占有者
・被告:現に目的物を占有することにより本権の内容を妨げている者及びその承継人
ウ 物権的返還請求権と占有回収の訴えにおける請求権の有無(原告になれるか否か)
(ア)詐取、強迫により占有を失った者
物権的請求権〈有り〉、占有回収の訴え〈無し〉。
(イ)賃貸借の目的物の占有を失った賃借人
物権的請求権〈無し〉、占有回収の訴え〈有り〉。
(ウ)盗人
物権的請求権〈無し〉、占有回収の訴え〈有り〉(大判昭13・5・22)
(2)物権的返還請求権と占有回収の訴えにおける被告
ア 侵奪者の特定承継人に対する請求
・物権的請求権:即時取得(192条)されない限り善意・悪意問わず請求可能
・占有回収の訴え:悪意の特定承継人に限り請求可能(202条ただし書)
イ 侵奪者の占有代理人に対する請求
・物権的請求権:請求不可
・占有回収の訴え:請求可能(大判昭19・2・18)
(3) 効果
・物権的請求権:目的物の返還
・占有回収の訴え:目的物の返還及び損害賠償請求(200条1項)
・占有保持の訴え:「妨害の停止」に加え損害賠償請求(198条)
・占有保全の訴え:「妨害の予防」又は損害賠償の担保請求の何れか(199条)
(4) 権利行使可能期間
・物権的請求権:本権とは独立して消滅時効にかからず(通説・判例)。したがって、所有権に基づく物権的請求権は永久に存続(167条)
・占有訴権:一定の期間制限に服する。占有回収の訴え(201条3項)、占有保持の訴え(201条1項)、占有保全の訴え(201条2項)、それぞれカッコ内の条文を参照。
(5) 被告の抗弁
・物権的請求権の被告は、本権をもって抗弁とする事が可能。つまり、被告が本権の発生原因事実を証明すれば、原告の請求を排除可能。
・占有訴権の被告は、本権をもって抗弁とすることはできず(202条2項)
◆本問のポイント
私が最初に不合格となった際の指導票には次のようなコメントが付されておりました。
①要件事実の違いに関する記述が不十分
②物権的請求権…占有喪失
占有回収の訴え…占有侵奪
ぞれぞれの意味を説明し、具体的にどのような場面で違いが生じるかを記述すること
私は再提出するにあたって、主として物権的返還請求権と占有回収の訴えの違いを中心にまとめました。
そこで、物権的妨害排除・妨害予防請求権に関してはほとんど触れませんでした。
また、占有保持の訴え・占有保全の訴えについても、効果と権利行使期間について軽く触れた程度です。
レポート字数の関係上、これらについて詳細には言及できなかったからです。
(あくまでもワタクシの場合はです)
また、この他にも被告の故意・過失の要否など細かな知識についてもいくつか記述しました。
以上のことは、あくまでも合格レポートの一構成例にすぎませんので、当然に、この他にも様々な構成は当然に考えられます。
また、ワタクシの構成・コメント等を参考にレポを作成したが「評価が低かった」「落っこちた」などと苦情を申されても、「残念でしたね」「再提出頑張って下さい」としか申し上げれません。(笑)
ですから、これらすべてはあくまでもレポート作成の際の一参考資料としてお読み頂けますれば幸いに存じます
今後、この課題を提出される方の合格を、心より祈っております。
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